印刷ワークフローのためのデジタルカラーマネージメント

Posted September 29, 2022 by X-Rite Color

カラーマネジメントは、画像処理のワークフローにおける各デバイスを識別し、特徴づけ、すべてのデバイスが同じ言語でコミュニケーションを取れるようにするプロセスです。 ICC(インターナショナル・カラー・コンソーシアム)の定義によると、カラーマネジメントを実施したワークフローはキャプチャーからプルーフィングと最終出力に至るまで、予測性かつ一貫性、再現性を持ちます。

 

デジタルカラーマネジメントを導入することで、印刷ワークフローに関わるすべての人が、指定された色のスペクトル値を参照し、工程に沿った複数のステップで精度をチェックできます。

デジタルカラーマネジメントワークフロー

デジタルカラーマネジメントはブランドオーナーの期待とデザイン、インキルーム、プリプレス、印刷オペレーターの間のギャップを埋め、製品の品質を高めます。 

  • デザイン作業では、最終的な素材を再現する色を正確に指定し、 キャリブレーションされたモニター を使って達成可能性を把握することを意味します。

  • インキルームは、正しい色を素早く 調合する 役割です。

  • プリプレスでは、色が正確に表示され、明確に伝達されるように、すべての機器にキャリブレーションを行います。 

  • プレスルームでは、印刷機から直接測定値を確保し、必要に応じてインキを調整します。その調整結果を測定し報告します。

  • 全プロセスを通じ、CxF、G7、Mファクターなどの規格が正確なコミュニケーションを確保するのに役立ちます。

複数のオペレーター、ジョブ、マシン、現場を扱っている場合でも、適切なツールがあれば、カラー ワークフローを効果的にリンクするのは簡単です。本記事は、多忙なプレスルームで色を順調に保つのに役立つデジタル・カラー・マネージメント・ツールについて説明します。

 

デザインにおけるデジタルカラー

デザインとブランドの場合、 PantoneLIVE Production と Print and Packaging により、指定された色が再現可能であり、ワークフロー全体で適切に伝達されることを確認できます。これにより、ブランドは色を明確に指定することができ、デザイナーは素材を念頭に置いて新製品を設計し、明確な期待を設定することができます。

 

PantoneLIVEは、一般的なPantoneカラーライブラリと、28の印刷基材に基づき対応する標準色を、安全なクラウドベースに保管します。分光測色計を使用することで、印刷業者は印刷サンプルのスペクトル値を取得し、カラーが許容範囲内かどうか、確認するため、生産全体を通してデジタル標準と照合することができます。

 

プリプレスにおけるデジタルカラー

 

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多くのカラーマネジメントシステムでは、デバイスのキャリブレーションを行い、モニター、印刷機、プリンターなどの出力デバイスを含む、特定のデバイスごとにICCプロファイルを作成する必要があります。 i1Publish Pro 3を使用すると、画像処理およびプリプレスのプロフェッショナルが、RGB、CMYK、CMYK+4プリンター用のカスタムプロファイルを作成することが出来ます。また、画面上のカラーパッチを読み取り、複数のディスプレイのキャリブレーションとマッチングを行い、一貫したカラーを表示します。

 

なぜカラーマネジメントが重要なのか、また色域、レンダリング・インテント、色空間、知覚レンダリング、プロファイル接続空間などの用語の意味など、カラーマネジメントについてもっと知りたい方は、カラーマネジメントのリソースをご参照ください。

 

インキルームにおけるデジタルカラー

 

Digital Color in the Ink Room

 

インキルームは、ワークフローの中で見落とされがちな領域のひとつですが、インキに問題がある場合、入荷材料に欠陥があったり、調合が正確ではない場合、プレスルームでの色に影響が生じます。インキの調合には、過度に複雑にしたり、時間をかける必要はありません。 Ink Formulation ソフトウェア(IFS)を使用すれば、初心者でもデジタルカラーインキの仕様を使用して、迅速かつ正確で一貫性のあるレシピを作成することができます。  こちらのブログでは、IFSが手持ちの着色剤を最初に使用することで、インキの持続可能性を向上させる方法を紹介します。

 

分光測色計は、プレスルームでのデジタルカラーマネージメントに役立つツールです。 分光濃度・測色計eXact 2を使えば、調合担当者は印刷業者やコンバーターにカラーデータを明確に伝えられ、フレキシブル・フィルムを含むさまざまな基材向けの迅速かつ正確なレシピを作成することができます。eXact 2は非接触で測定するため、濡れたインクの汚れや再測定の手間を防ぎます。

 

詳細については、インキサプライヤー向けのeXact 2ブログをご覧ください。

 

eXact 2 | Japan Launch

 

プレスルームにおけるデジタルカラー

 

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ポータブル分光濃度・測色計eXact 2はプレスルームでも使用できます。 このデバイスを導入することで、印刷会社やパッケージング・コンバーターが、 1 台のデバイスで紙やフレキシブルフィルムの基材を測定し、印刷現場のどこからでも色の仕様を理解でき、簡単に管理を行い、関係者にコミュニケーションをとることが出来ます。

 

Mantisビデオターゲティングテクノロジーとユニークなデジタルルーペ機能を搭載した高解像度カメラにより、eXact 2は測定エリアを拡大し、パッチの検査やドットゲインの分析、プレートの読み取りを行い、コンプライアンス用にカラー測定の画像を保存することができます。 ポータブル分光濃度・測色計eXact 2を使用すると、より短時間に準備時間を短縮し、基材やインキを節約できます。さらに、eXact 2は、InkFormulationソフトウェアおよびColorCert(後ほど説明する)とも接続できるため、印刷オペレーターはeXact 2のカラースクリーンからすぐにカラー品質を評価することができます。

 

ポータブル分光濃度・測色計eXact 2の機能の詳細については、eXact 2 Blog for Printers and Converters をご覧ください。 

 

 

グローバルな印刷ワークフローにおけるデジタルカラーの管理

制作の各段階でカラーマネジメントを採用している場合でも、色の一貫性を保つために、関係者間で現状把握し、効果的にコミュニケーションを取る必要があります。印刷ワークフローの各ステップを個別に見るのではなく、正確さと一貫性につながる鍵は、カラーマネージメントシステムを活用し、指定された時点から最終製品が納品されるまで、色を全体的に見ることです。

 

印刷仕様、品質管理、品質保証

Print Specification

デスクトップ・モジュールを組み合わせることで、1つまたは複数の現場での、プリプレス、インキルーム、プレスルームを含むワークフローのすべての関係者がリンクされ、色と印刷の期待値、色基準、許容誤差、印刷機のセットアップ情報、印刷中のパフォーマンスを伝えることができます。 これがColorCert Suiteの魅力です。

デバイスを最適化

 

サプライチェーン全体で色の一貫性を確保するためのもう一つのステップは、機器を認証することです。  NetProfilerは、エックスライトのソフトウェアと色基準をクラウドベースで統合したシステムであり、分光測色計の性能を検証・最適化することができます。 測定機器間のばらつきを減らすだけでなく、経年劣化や摩耗、環境条件によって引き起こされる問題を随時修正することができます。もちろん、定期的に正式な認証を受けるために機器をメーカーにお送りいただくことは可能です。

 

使用中のデバイスを可視化

 

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X-Rite Linkダッシュボードは、革新的なオンライン・プラットフォームであり、デバイス全体をリアルタイムで把握することで、手作業による管理を減らし、デバイスのパフォーマンスを最適化し、サービス・プロセスを合理化します。 手作業によるトラッキングや無駄な時間を省くため、複数の現場で測色装置をモニター・コントロールする印刷会社に最適です。X-Rite Linkを使用することで、認証期間、NetProfiler状況、保証、サービス・ケア・プランを含む最新の機器ステータスを取得し、アクティブな資産管理のために場所を割り当て、独自のワークフローに合わせてパラメータをカスタマイズすることができます。

 

小さく始めて積み重ねていくのは大事!

デジタルカラースタンダードを使用し、ワークフローの各ステップでカラーマネジメントを実施し、ColorCertやNetProfilerのような管理ソリューションを重ね合わせることで、信頼性の高いエンドツーエンドのプロセスを構築することができます。しかし、一度に全部やる必要はない。

 

初心者からプロフェッショナルまで、エックスライトの一連のカラーマネージメント・ソリューションは、色の知識が少ししかない方でも簡単に設定でき、優れた成果を提供します。 また、Resource Center には、豊富なカラー教育や業界の知識をまとめており、独自のカラープログラムを作成し、適切にコントロールするのに役立ちます。

 

カラーワークフローについて、エックスライトのカラーエキスパートは無料相談を実施しております。是非エックスライトまでお問い合わせください。また、Color Control Freak eラーニングコース(日本語版を準備中)を受講して、カラーマネージメントについてさらに学びましょう。


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