紫外線の影響を考慮した分光測色計が必要ですか。

Posted November 23, 2022 by X-Rite Color

蛍光増白剤(Optical Brightening Agents・OBA)(Fluorescent Whitening Agents・FWAとも呼ばれる)を使って、製品をより明るく、より白く見せることができます。

蛍光増白剤を添加すると、製品は明るく見えますが、色の見え方が根本的に変わるため、一つの光源での目視だけでは、色を評価することができなくなりました。蛍光増白剤を含む素材やファブリックは、工場照明の下で、色が一貫して見えても、小売店のLEDや昼光、家庭の白熱灯等、他の照明条件の下では、同じ製品でも、大きく違って見えます。

蛍光増白剤を含む製品の評価をする場合は、蛍光増白剤がさまざまな光源の下で、色の見え方にどのように影響を与えるのかを定量化するために、紫外線の影響を測定できる分光測色計か、UV光源を含む標準光源を必要とします。

紫外線とは?

紫外線は可視光線(肉眼で見える光)より短い波長のエネルギーで、電磁波スペクトルのごく一部に過ぎないものです。

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この図は電磁波のスペクトルを説明したものです。左端のガンマ線から始まり、右へ X-線、マイクロ波、ラジオ波と進んでいきます。紫外線と赤外線の間にある極小の可視光線は、人間が肉眼で見ることごできる唯一の部分です。

蛍光増白剤は、目に見えない紫外線の一部を吸収し、青色光として再放出します。この青色光の放出により、ファブリックをより明るく、より白く見せることができます。

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画像提供:ウィキペディア

この画像は、右側が可視光線、左側が紫外線の波長領域を表しています。蛍光増白剤は、この紫外線を吸収し、人間の目に見えるスペクトルの領域で再放出します。

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紫外線の影響を測定できる分光測色計とは?

UV光源を持つ分光測色計は、蛍光増白剤を含む製品の色の一貫性を評価できます。これらの測定機器は、校正された紫外線を照射して、効果を測定・定量化します。

ポータブル分光測色計タイプ

ポータブル分光測色計Ci64UVは、蛍光増白剤を含むプラスチック、繊維、紙を正確に定量するためのUV LED照明を持っています。

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ポータブル分光測色計Ci64UVで、白色プラスチックを測定する場合は、OBAの効果が評価できます。

ベンチトップ分光測色計タイプ

ベンチトップ分光測色計Ci7820, Ci7800, Ci7600は、反射と透過、さまざまなサンプルに対する蛍光増白剤の効果を定量化するためのUV照射機能を備えています。

インライン分光測色計タイプ

Color XRA45は、UV波長も測定可能な 45°:0°の非接触インライン分光測定計です。紙やプラスチックの生産ラインに設置することで、色ズレを素早く、生産の全体にわたって確認することができます。

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蛍光増白剤(OBA)の評価に標準光源装置を使用する

蛍光増白剤を含む製品は、エックスライト社の提供する 標準光源装置SpectraLight QCのようなコントロールされたUV照明の下で、目視検査を行うことができます。

紫外線を含む光源の下では、蛍光増白剤を多く含む製品は明るく見え、蛍光増白剤をあまり含まない製品は暗く見えます。ここでの課題としては、製品に含まれる蛍光増白剤の量を定量的に把握するためには、一定量の紫外線が必要なことです。つまり、紫外線がほとんどないときは、色の違いが見えないことになりますが、紫外線があるときは、色の違いは目に見えるものになります。

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蛍光増白剤を含む白生地サンプルを 標準光源装置SpectraLight QCのUV光源を含む照明で評価中。

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