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色度測定器とは?物体色・光源色から理解する色度計の基礎

Posted 30 January 2026 by X-Rite Color
Modified 30 January 2026

shikidokei

色の測定器には様々な名称があります。

製品の色を安定させたいと考え始めると、最初の壁は用語の混乱です。色を数値化するための総称として「色度計」や「測色計」という表現を使います。 「色度計」や「測色計」などは、用途を表した言葉に見えますが、用途を表す言葉としては不十分です。色を数値化するためには、何をどうやって測るかが重要になります。

まず、何を測るかを考えて見ましょう。

色のついているものを大別すると、色のついた光と、色のついた光を反射している物体になります。
実は「何を測るのか」で世界が二分されます。
LEDやディスプレイのように自ら発光する光の色を測ることを「光源色測定」と呼びます。物体の表面からの反射や、物体から透過して見える色を測ることを 「物体色測定」と呼びます。それぞれの業界に必要とされる内容に合わせて、計測機器の形や表示も異なってきます。 前者を測定する場合は、「光源色用測色計」、後者を測定する場合は「物体色用測色計」が、必要になります。何を測るかに気を付けなければならないのです。

次は、どうやって測るかを考えてみましょう。

色を数値化するためには、人の目を模したセンサーが必要になります。人の目と同じ、赤と緑と青のセンサーを持ったものを「三刺激値直読方法」と言い、 人の目と同じように赤と緑と青のエネルギーを求めるために、分光し、計算から、赤と緑と青のセンサーに入るエネルギー量を表す「分光測色方法」があります。「色彩計」や「色度測定器」という言葉だけでは、どうやって、光を受けているのかわかりません。
「色彩計」という商品名は、「三刺激値直読方法」の装置につけられる場合が多いので、色彩計=三刺激値直読方式測色計と思われているということもあります。

この入口を間違えると、使い道に合った正しい測定値を得ることは出来ません。本記事では、QCや生産現場の担当者向けに、物体色用測色計中心に、基礎から分類、個別機器の違い、運用でつまずきやすいポイントまでを、できるだけ噛み砕いて整理します。

色度測定器とは?

色度測定器は、色を感覚ではなく数値で扱うために色度を求める計測機器の総称です。「色彩計」や「測色計」という表現の方がぴったりくるのではないでしょうか?

国際照明委員会(CIE)が定めた標準観察者と標準光源を前提に、観察条件と照明条件を固定し、対象の色をCIE XYZやCIE LABなどの表色値、あるいは波長ごとの分光データとして取得します。ここで重要なのは、対象が「物体色」か「光源色」か、という見極めです。

塗装板、成形樹脂、紙、繊維、フィルム、食品のように外光を受けて見える色は物体色であり、評価の中心は反射率や透過率から求める色彩値(色度値 )や色差値です。 一方、LEDモジュール、蛍光灯、プロジェクタ、モニタのように自ら発光するものは光源色で、評価の中心は発光量や放射量から求める、色彩値(色度値)、色温度、演色性、明るさといった光の質と量になります。

色度測定器の分類

色度を測る測定器は大きく二系統に分かれます。

物体色を測る系統では、色彩計、色差計、分光測色計と呼ばれる機器が使われます。これらは反射(あるいは透過)した光を色として捉え、最終的にL*a*b*やその色差値などで品質を判定します。

光源色を測る系統では、色度計、色彩計、分光測色計 が中心となり、Yxy値やu′v‘座標値、相関色温度(CCT)と黒体の軌跡からのズレ量(Duv)、CRIやTM-30といった指標で発光体の「出している光」の性質を評価します。同じ「色」でも、計測する物理量が違うため、機器の選び方も運用も変わります。

物体色を測る機器の違い

まず押さえたいのは「色測定器」という包括的な呼び方です。現場でこの言葉が出るとき、多くは色彩計・色差計・分光測色計をまとめて指しています。選定軸は三つに集約できます。

一つ目は光学幾何条件で、45/0、d/8といった照明・受光の配置をどうするかです。45/0は人の見えに近いことを重視し、d/8は積分球を使用した拡散光で表面の光沢影響をSCI(光沢込み)とSCE(光沢除去)で切り分けられます。 二つ目は測定原理で、人の目の感度を三刺激値フィルタで近似して直接取得するのか、波長ごとの分光データから計算して取得するのかと言うことで、精度が異なってきます。 三つ目は試料条件で、固体か粉体か液体か、透明か半透明か不透明か、小径か湾曲かといった取り回しの現実解です。

色彩計や分光測色計は色差の表示機能も持ち、色差計と呼ばれる場合もあります。

色差計にも、三刺激値直読方式と、分光測色方式のものがあります。色差計は、基準色とサンプルの差を素早く、安定的に判定したい場面に適します。運用は単純でスループットが高く、 ラインサイドでの合否やトレンド監視に強みがあります。色差計には、三刺激値から取得する仕組みの物もあり、装置価格も控えめですが、分光情報がないため、照明光源を変えた再演算やメタメリズムの検証は、できません。 名称だけで機能を断定せず、取得できるデータと光学幾何条件を確認することが肝心です。

分光測色計の場合は、波長ごとの反射率や透過率を測定し、D50やD65、A、F系列といった異なる光源や2°/10°の観察者条件に後から再演算できる自由度が最大の魅力です。 見た目が同じでも分光分布が異なるメタメリズムのリスクを可視化し、複数光源下の見え方の差を一度の測定から評価できます。原因分析やレシピ最適化、サプライヤ間での共通言語づくりにも有効で、品質問題の再現性向上に直結します。 分光測色計は導入や教育のコストは上がりますが、開発から量産安定までのライフサイクルで見れば回収しやすい投資です。

光源色を測る機器の違い

光源色の評価では、光源色用測色計が使用されています。目的が、光源の色度を求めるだけの場合は、色度計と呼ばれる場合があります。 光源色用測色計には、同時に取得する光の量によって、照度計タイプと輝度計タイプがあり、ディスプレイや照明器具の評価に広く使われます。
より高精度の解析が必要であれば、分光測色計タイプが選択肢になります。これらは分光放射束を取得して、演色評価数など、光の質を多面的に評価できるものもあります。 なお、ディスプレイの測定では、プローブの視野角や測定距離、環境光の遮蔽といった取り扱い条件が、繰り返しの測定精度に直結するため、手順の標準化が不可欠です。

その他の関連機器

関連用語として“分光器”や“分光光度計”がしばしば登場しますが、色管理の文脈では役割が異なります。 分光器はプリズムや回折格子で光を波長に分解して観察する装置で、分光光度計や分光測色計のセンサーとしても使用されます。

分光光度計は、分光器を使用して、液体などの成分を分析するために、波長精度と波長分解能を重視して製作されています。 そのため、測色用としてはダイナミックレンジが狭いため、精度が不足しています。
分光測色計のセンサーに使用される分光器には、波長分解能より、高い繰り返し精度が要求されます。
半面、分析に使用されることの多い分光光度計用のセンサーに使用される分光器の場合、高い波長分解能が要求されます。 分光光度計は色彩分野の“分光測色計”と名前は似ていても、対象(目的)が異なるため、機器選定の際は注意が必要です。

まとめ

本記事では、「色度測定器」を例にとり、基本的な考え方と用語の違いについて整理してきました。最初に対象が物体色か光源色かを確定し、次に求める精度と自由度を決めます。 物体色で基準との差だけを素早く見たいなら色差表示機能の有る物、複数光源での見えやメタメリズムまで見通したいなら分光測色計が向いています。

さらに、見た目を重視するなら45/0、光沢の影響を切り分けたいならd/8でSCIとSCEを併用する、という光学幾何条件を選ぶことが現場の会話を滑らかにします。
最後に、標準イルミナント・観察者条件、白基準の校正、器差管理、色差の式の統一、許容差の合意といった“運用の型”を関係者で合わせておくことが、数値を真の共通言語に変えます。
色の測定機に付いている商品名の名称に惑わされず、対象と目的から考える。それが、色のばらつきを安定と再現に変える最短ルートです。

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