絶対濃度 vs. 相対濃度

濃度計はプロセスを測定するようデザインされています。 このため、あらゆるプロセスに異なるフィルターセットまたは「レスポンス」があります。 濃度計は写真業界においてのフィルムプロセッサのモニタリングから、オフセット印刷機からの出力の一貫性を測定するまで、イメージング業界において幅広い用途を持っています。

プレス作業の一貫性を監視する際は、データの表示方法を選択する必要があります。 測定データが白色校正基準板に基づく「絶対」濃度として表示するか、あるいは印刷ジョブに使用する用紙に関連するデータとなる「相対」濃度で表示するかです。 絶対および相対濃度は両方共に、イメージングプロセスへのそれぞれの用途がありますが、いずれか一つを選択する論理があります。

モードはデータがどのように使用されるかによります。

印刷作業の一貫性を維持するには:

ジョブが印刷機で印刷される際、すでにジョブに選択した用紙を使用します。 完全に間違っていない限り、そのまま使用します。

用紙が持つ濃度特性のわずかな変動が用紙内に見られます。 ユーザーはこの特性を変えることはできませんが、濃度計は測定できます。 しかし測定中に得られたデータは印刷機の状態を正しく表現できない場合があります。 このため、濃度計を相対濃度モード(白色基準、用紙)で使用すると良いでしょう。 まだ印刷されていない用紙を「ゼロ設定」でき、測定値は用紙の変動に影響されません。 データは印刷機の忠実な安定度を表します。

印刷画像の全体的な再現特徴を判断するには:

時折、再現プロセス中にジョブの全体的な外観特徴を判断する必要があります。 これは通常、ジョブが印刷された後に行われ、極めて重要な作品には作業中に実行される場合もあります。 現在のジョブは、以前に実行されたプルーフまたはジョブと比較されます。 この場合、作品の全体的な外観が評価されます。 濃度計の全カラーチャンネルに対し、用紙の濃度値を知ることは比較時の重要なパラメータとなります。 このため、絶対濃度モード(白色基準、絶対値)で使用すると良いでしょう。 次に、用紙とインキの特徴をお互いに比較することが可能です。

簡単なルール

印刷機のプロセス管理には、相対濃度モード(白色基準、用紙)を使用してください。

画像の評価には、絶対濃度モード(白色基準、絶対値)をで使用すると良いでしょう。

非対象

基材がゼロ設定に使用できない、または適切でないケースがあります。 例えば金属への印刷で、ホワイトのレイヤーがまず最初に印刷され、その他のカラーがその上に印刷される場合です。 ホワイトのベースレイヤーの濃度は変更し、画像そのものの重要な部分であるため、この用途では絶対濃度モードを使用する必要があります。

正しい手順を判断しにくい他の用途もあります。 しかし、ベースカラー(例:ホワイト)が全体的な複製に重要であり、ユーザーによって調整可能であれば、絶対濃度モードを使用する必要があります。