色を目視評価するための10のヒント

Posted March 15, 2023 by X-Rite Color

皆様の色の品質管理の工程には、目視評価が含まれていますか?

もしそうでないなら、含めた方が良いでしょう。

x-rite spectralight quality control light booth

標準光源装置SpectraLight QCを目視評価ワークフローの一部として使用

どの業種でも、色の評価は、測色計でサンプルを測色するだけではありません。測色計は色を許容範囲内だと表示していても、その結果は必ず人間の目に正しく見えるとは限りません。

顧客からの拒否を最小限に抑えるには、色管理プロセスに照明ブースでの視覚評価を含める必要があります。特に、同じ製品の異なるパーツを生産する場合です。なぜなら、工場内だけでなく、屋外や蛍光灯のある店舗など、世の中にどこで見られても、色の統一感が必要だからです。

本日は、皆様の品質管理の工程を、可能な限りレベルアップするために、目視評価するための10のヒントを紹介します。

目視評価に欠かせない標準光源装置を使用

エックスライト社製の標準光源装置SpectraLight QCは、さまざまな光源の下で色を評価・比較するための制御された環境を提供します。ここでは、標準光源装置の導入によって、色評価の工程を最大限に活用するための 10 のヒントを紹介します。

  1. 目の限界を意識する もし、あなたの目で正確な色を見ることができないなら、目視評価を使用しても意味がありません。視覚評価プログラムに参加する全員が色の識別テストを受ける必要があります。ファーンズワース・マンセルヒューテストは40年以上前から使用され、色覚を識別するための簡単で効果的な方法です。人間の目とその限界について知りたい方は、以下のブログ(英語版)をご覧ください。環境が私たちの目に与える影響
color hue chips x-rite FM 100 hue test

FM-100 ヒューテストの色相チップ

  1. 正しい照明条件を選択する 照明条件について、いろいろ説明しないといけないことがありますが、別の記事で詳しく話しましょう。ここで重要なポイントは、最終製品が展示されるすべての光源を選択する必要があるということです。例えば、プラスチック製のガーデンオーナメントを製造する場合、昼間の太陽光源の下と、蛍光灯の店舗照明の下でそれらが適切に見えることを確認する必要があります。
  2. 周囲の光を少なくする 室内では、標準光源装置からの光のみにしましょう。 光は色も含んでいます。窓から差し込む光や、テーブルランプから差し込む光が、少しでも、サンプルの色の認識を変える可能性があります。
  3. 標準光源装置内を散らかさない 植物やペン、かわいいペットのぬいぐるみなど、これらはすべて色覚に影響を与え、色評価を誤る原因になります。
  4. 周囲の色を意識する 人間の目は、網膜に当たった光を常に処理しています。来ている服装によって色の認識が変わることがあります。目立たないかもしれませんが、目視評価を行う日には、白やグレーなどの中間色にしましょう。
  5. サンプルを適切に配置する 製品と素材にもよりますが、一般的には、サンプルを0/45のジオメトリで観察します。標準光源装置なら、さらに簡単です。サンプルを装置の底に置き、光源と平行にします。サンプルを比較する場合、平行に並べて置きます。色と色の間にわずかな隙間でも、目を欺く可能性があります。また、左右と上下に動かして、色の変化を観察することも必要です。この点は、湾曲した部品や変わった形状の部品の場合に特に重要です。

xrite spectralight qc color evaluation light booth

  1. 素早く見る ずっとサンプルを見ることで、目視評価が正しくなると思われますが、同じサンプルを5~10秒見続けると、実際には私たちの目は鈍くなります。目視評価をするときは、素早く見て、目を休めてから再び評価するようにしましょう。
  2. メタメリズムに注意を払うメタメリズムとは、ある光源の下に見ると、物体の色が合いますが、別の光源では合わないという現象です。(例を挙げると、皆様の靴下の色の間違いと同じです)この現象は、染料、塗料、顔料が製造中に変更されたときに、よく起こります。メタメリズムをチェックするには、さまざまな光源の下でサンプルを観察しましょう。
  3. 色評価は早めに、そして頻繁に色の問題を早く発見すれば、無駄と手直しが少なくなります。
  4. 基準を明確にする 自社、自社製品、顧客にとって、何か効果的な方法が見つかりましたら、全員で決めた方針で進めましょう。 標準作業手順書を作成することで、目視評価の担当する全員が同じ方法で評価を行うことが保証されます。 エックスライト社製の標準光源装置
xrite light booth color visual evaluation

この写真、どこが悪いですか?ほとんどすべてですね!

標準光源装置をあなたのワークフローに追加しましょう!

SpectraLight QCや、エントリーレベル向けのJudgeQCなどの卓上の標準光源装置、特注のHarmony Roomまで、X-Riteは品質管理のワークフローを強化するソリューションをご提案します。お客様の視覚評価のニーズについて、是非エックスライトのカラーエキスパートにお問い合わせください。すべての色品質管理プログラムには、標準光源装置を使用した視覚的評価を含める必要があります。本記事に紹介した10のヒントは、手直しや顧客による拒否を最小限に抑えることに役に立ちます。